心よりご冥福をお祈りいたします

 森靖孝先輩とのご縁は2004年東京でのSIV(SFC Incubation Village)コンソーシアムの定例活動が丸の内のインキュベーションビジネスクラブ(東京21cクラブ)で開催されていた際に、ご挨拶させていただいたのが始まりです。


 当時、丸の内は90年代後半の山一ショックなどを経て重厚長大型の錚々たる大企業の本社機能縮小や転出が進み黄昏の街などと揶揄されることから何とか再生できないかともがいているような状況でした。幸いにも街の中には米西海岸等のダイナミズムに触れて日本に戻っている方など心ある投資家、商社の方、プロフェッショナルなどの皆様との出会いがあり元気を頂いていたのを思い出します。せっかく企業や人が集積しているのだからもっと様々な出会いの場があっても良いのではないか?、なぜベンチャーやアカデミアのプレーヤーがその中にいないのだろう?貸しにくい空室などがあったのでベンチャーには賃料廉くていいからストックオプションをもらい、そのかわり街の特徴を活かしてイノベーションに一番大切な人の輪の塊を提供できないものか?そんな構想を新規事業として具体化し苦しみながら進めている時でした。國領さん、牧さん(当時SIV事務局長、現早稲田大学ビジネススクール准教授)の紹介でメンター三田会の設立背景などをお伺いする機会を頂くことができたのですが、森さんの視座はその当時から大企業内のアントレプレナーシップやグローバルなテーマにも話が及ぶものでした。ご自身も資生堂の国際部門のパイオニアとして様々な反対にあいながら事業機会を拓いてきた経験など、雑談調にさりげなく発せられる言葉の一言一言が心に残るもので多くの学びの機会をいただきました。


 「田中さん、よくこうして取り組んでいますね。相当面倒なことが多いのではないですか?日本の大企業は今までが上手くいきすぎて組織もきっちとし過ぎているんですよ。新規事業が大切というのはトップになるとはじめて言い出す経営者が多いけど本気の人は少ないし、組織の中はそう簡単ではないでしょ。資生堂でもそうだけど普通の人は大抵嫌になっちゃう、田中さんはちょっと変な人かもしれませんね、笑」そうしたら牧さんが横から「そうおっしゃっている森さんもかなり変わっていませんか?」、森さん「牧さん程ではないですがそうかもしれませんね。実は相当変な人かも。ただ、まともな人に見せるのはちょっと上手いかもしれない」こんな冗談を煙草をくゆらせながら、にこっと笑っておっしゃっているお姿がいま眼前に・・・


 メンター三田会の結成趣意書をあらためて読み返しております。

 慶應義塾は、つねに時代の発展の最先端を担う人材の輩出を志している・・・先に学んだ者がその事業の実務経験から学んだ事柄や人脈に関する情報を後に学ぶ者に伝え、或は互いに切磋琢磨して学びあう・・・森さん、どうか安らかにお眠りください。


 生前のご厚情に深く感謝を申し上げますとともに、ご冥福を心よりお祈りいたします。

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