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慶應スタートアップエコシステムを創る

更新日:2023年1月14日

池田祐輔さん メンター三田会 幹事 事務局長




経歴

2001年慶應義塾大学法学部法律学科 卒業

2001年A.T.カーニー株式会社 入社

2003年A.T.カーニー株式会社 退職

2003年株式会社エデュ・ファクトリー(現アルー株式会社)創業に参画。取締役。


アルー株式会社 取締役 執行役員 社長室長

より詳細なプロフィールはこちらからご確認いただけます。



幼い頃から社交的な性格

埼玉県のいわゆる普通の家庭に生まれました。

教育熱心な家庭で小学生の頃から多くの習い事をやっていました。その流れで中学受験をすることになり、開成中学対策の塾に入りました。鉢巻巻いて「開成絶対合格するぞー!」なんて叫んでいたんですが、なぜか開成中学は受験せず慶應義塾普通部に入学しました。小学生の頃から社交的な性格で塾では違う地域の子ばかりでしたがたくさん友だちを作っていました。とても楽しかったです。



慶應義塾普通部・塾高に入学。知らない世界を知る

中学では今まで触れたことがないような人々に出会いました。

幼稚舎出身の同級生は、とても豪華な家に住んでいて驚きました。マンションが6LDKの豪邸。玄関には赤いじゅうたんが敷かれていて、建物の中に竹林があるようなところに住んでいました。慶應義塾は凄いところだ、という驚きはあったものの、そういう違いはあまり関係なしに仲良い友人を多く作りました。


普通部は自主性に任された学校でした。だから多くの同級生は趣味に没頭したり、好きなことを研究したりのほほんと自由に過ごしていましたね。そんな友人に囲まれていたため、私自身はやりたいことや趣味が特にないことがコンプレックスでした。


この頃から「なぜ(Why)」「何(What)」をやるよりは、「誰か(Who)」と仲良くなってそれを「どうやるのか(How)」を考えることが好きでした。


慶應義塾高校に進学後は、端艇部(ボート部)に入って謳歌していました。高校ものほほんと生きてましたね(笑)



転機は就職活動での挫折

大学進学の際には、なんとなく法学部法律学科を選びました。文系の中では成績は悪くなくて、どこでも選ぶことができたんですね。苦手な数学が無かったことが当時の学部選択の理由でしたが、今から振り返って考えると「社会」に対する関心があったのでしょう。昔から地理・歴史・公民などの社会科の授業が好きでした。社会の成り立ち・システムに興味があったんです。法律は社会を作る枠組みだから、自分の興味とマッチしていました。


選んだ瞬間はよくわかっていないけど、後から考えると全て繋がっているんです。

もし当時に戻っても法学部法律学科を選ぶと思います。


大学4年間は特にこれといったいい思い出はありません(笑)。特に強くやりたいことがあったのでもなく、テニスサークルに所属してひたすら飲んで遊んで、というような真面目ではない学生でした。


転機は就職活動でした。大学3年生になって急に友人達が就活の準備を始めて、とても驚きました。ついこの前まで一緒に飲んで騒いでいたのに環境が変わったことに戸惑いがありました。


流れに任せて自分も就活を始めましたが、やりたいこともなく、悩み続けてしまい失敗しました。本音では就職をしたくなかったんです。そりゃあ失敗するなぁと今では客観的に思えますが、当時の自分にとっては最大の挫折経験でした。



持ち前のコミュ力が2回目の就活のきっかけに

3年生の就活では失敗してしまい、途方に暮れていたところ、大学の先輩からインターネットの情報交換サービスを勧められました。当時(1999~2000年頃)はSNSは発達してませんでしたから、メーリングリストを通じた情報交換サービスに登録しました。牧歌的な時代で実名で悩み相談をしたり情報交換をしていました。


そのメーリングリストの就活情報交換サービスに参加したことは、私にとって世界が広がる経験でした。

中高大と慶應義塾の人としか付き合ってなかったのですが、様々な大学の同世代の方と繋がるきっかけとなりました。みんなそれぞれ多種多様な悩みを持っているんだなと思いました。悩んでいるのは自分だけではないと気づきました。そこで知り合いが増え、オフ会に参加することになりました。もともと社交的な性格なので、情報交換サービス上でも友だちがたくさんできたんですね。


そうした縁の中で、起業したばかりの社会人の方に話しを聞きに行く機会がありました。web制作会社を立ち上げたばかりの方で、私の就活の相談をしたのですがとても刺激を受けました。訪問が終わりオフィスを出ようとした際に・・・「今がチャンスだ。このまま帰ったら何者でも無くなってしまう」と感じ、引き返して声をかけました。「明日からバイトとして雇ってください。給料もいらないので!」とお願いし、次の日から西麻布のオフィスへ通うことに。


初めはひたすら雑用をこなしていたんですが、フリーで企画を作ってみたことがありました。インターネットを使ってダンスを動画で学べるサービスの企画でした。動画で学べるのはニーズがあるんじゃないかと思ったんですね。クライアントに提案したら、褒められてとてもうれしかったんです。実際には採用はされなかったんですが、やりがいがあってとても満足したんです。


「ニーズや課題を持ってる人に対して、自分の能力を使って企画・提案するのって面白い」と思いました。自分を生かす道を見つけるきっかけとなりました。



A.T.カーニーの経験でスタートアップに関心を持つ

働くことは楽しいと思えたことから、その後もう一度就活することになり、結果、A.T.カーニーという外資系の戦略コンサルティング会社に入社をすることになりました。社会・経済を良くすることは、現代においては企業が担います。企業を支援することで間接的にでも社会・経済発展に貢献したいと考えていました。


2001年4月に入社し2003年10月に退社しました。新卒時代はとても苦労しました。思考のトレーニングになりましたね。2年目くらいから楽しくなって3年目はとてもやりがいがありました。


スタートアップに関心を持ったきっかけは入社2年目の時のことでした。ベンチャーキャピタル(VC)がクライアントの案件に携わることになりました。VCの業務改革プロジェクトでした。このプロジェクトに関わったことで、スタートアップは社会を変えるためにリスクを取ってチャレンジしているのだと気づきました。

そんなVCやスタートアップの方々に刺激を受けて「ゼロベースで価値を作ることに挑戦したいな」と思ったんです。


私自身は特定のやりたい分野もなかったため、仲間を探すことから始めました。自分よりも優秀で、社会に対する課題意識とヴィジョンを持った人が必要だと。異業種交流会への参加や開催、友人への声かけを通じて出会ったのが後にアルーでご一緒することになる高橋浩一さんでした。


高橋さんは当時勤務先が同じビルにあり、教育分野に興味があったんです。勤め先も興味分野も一緒で、とても話が盛り上がりました。その高橋さんが創業メンバーを探していたんですね。「5~10年できる仲間を探している。池田さんにできるのであれば一緒にやろう」と誘われ、まさにこれだと思い飛び込みました。


後日談ですが「10年もできるのか」なんて言ってた高橋さんが先に抜けてしまいました(笑)。彼がきっかけで現在の私に繋がっているので、とても感謝しています。



教育分野へ熱を持つ仲間とともに起業~東証マザーズ上場へ

アルーは現代表の落合文四郎さん、高橋さん、私の3人で立ち上げました。高橋さんに紹介されて落合さんに初めてお会いしたとき、すぐに優秀さがわかりました。


新宿のカフェで会い、語り合いました。「ビジネスを通じて社会問題を解決したい」とおっしゃっていました。「これからの日本は労働人口が減る。今は豊かな国だけど、必然的に貧乏になるのだから、1人あたりの生産性を上げることが継続的な課題になるだろう。それを教育を通じて解決したい」と語っていて、全くもって私も同感でした。


2003年10月に創業したアルーは企業向けの研修サービスを展開しています。2018年12月に東証マザーズに上場しました。私は更なる成長に向けて仕事には地道に取り組んでいます。


アルーの創業から上場までの経緯と取組みについては、アルーのnoteを読んでいただけますと幸いです(全39記事/19万字)。シード期、アーリー期、ミドル期、レーター期、プレIPO期とそれぞれの時期ごとの課題と具体的な取り組みをまとめさせていただきました。



メンター三田会では慶應の優秀な人材が活躍できるエコシステムを作りたい

メンター三田会には2015年頃から関わりました。 文部科学省が取り組む留学支援制度「トビタテ!留学ジャパン」というプログラムの立ち上げから研修運営を担当していました。そこで新村さん(現メンター三田会幹事)に出会いました。新村さんは当時KBS(慶應義塾大学ビジネス・スクール)に通っていて複数のスタートアップのCFOをされていました。


新村さんに誘われて、メンター三田会へ参加しました。当初はつながり重視でフットワーク軽めに参加していましたね。本当に学生時代から人と繋がることが好きな性格は変わりません。毎回飲み会へ行っていたら事務局長の鈴木さんたちと仲良くなりました。それがきっかけとなり事務局に誘われました。


事務局への参加後はオペレーション面やインフラをきちんと整え、少しづつ動かしてきました。2021年に幹事に就任しました。メンター三田会のコミュニティを更に盛り上げていきたいと奔走しています。



慶應義塾のスタートアップはまだまだ発達段階です。大学発ベンチャーは東大一強です。メンター三田会を通してスタートアップを盛り上げたいと思っています。

実現したいことは「3つの10倍」を創り出すことです。


①慶應発の大成功スタートアップ企業を生み出す(成功の規模10倍)

慶應の代表となるような、技術シーズを使った大きなスタートアップを生み出したいですね。Spiber株式会社という、人工の蜘蛛の糸を使って服やさまざまなものを作っているユニコーン企業があるのですが、創業前の頃にメンター三田会が一部関わっていたとお聞きしました。Spiberに代表される慶應発のユニコーン企業を生み出したいですね。


②大学発スタートアップを数多く生み出す(起業の数10倍)

大学の先生や研究室にある材料・技術を用いた起業、成功させるという流れを作り出したいです。理系の素晴らしい技術が多く集まっているので、それをもっと気軽に社会へ発信できる流れを作れたらと思います。


③慶應出身CxO人材の活躍できる場を作る(CXO人材数10倍)

私個人としては一番成し遂げたいものです。慶應には、優秀な文系の方が多くいます。大成功できる技術シーズは持っていないけれど、ビジネスをうまく作る能力が高い人が数多くいらっしゃいます。そういった優秀なCxO候補となる方と、可能性のある技術を持ったCEOを繋げ、活躍できる場を作りたいです。



メンター三田会は色々な人がちょっとずつでも関わりやすい団体にしていきたいと思っています。そうして「みんなが活躍できるコミュニティやエコシステム」を作っていきたいと考えています。メンター三田会へ関心がある方、スタートアップに関する想いや何らかの専門性を持っていれば大歓迎です。


一緒に慶應のスタートアップを盛り上げる場を作りましょう。


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