森さんの想い出

 私の記憶の中での森さんはいつも学生の大事な勝負時や準備どきには必ずいてくださった、今思うと守り神のような方でした。


KBC6期と國領研の聴講で森さんにお世話になった佐橘歩(旧姓・井出歩)です。

 私が今でも1番鮮明に覚えているのは、KBCの代表としてアイスランドのレイキャビックで開催されたインキュベーションに関するイベントに私含む3名を送り出してもらう前の、パネルディスカッション用の資料を森さんと樺澤さんに見ていただいたときのことです。


 森さんからは資生堂で海外に行っていた時代の経験談として、「駐在時代に会ったやつで何を言ってるのか全然わからないやつがいた」というお話しをいただきました。


 何故この記憶だけ特に覚えているのかというと、私の中では、森さんが普段は誰かのことを批判することは一切なく、資生堂時代の話も武勇伝のようなものは全く語らない方でもあったからです。

 ご自身のお話しは一切を脇に置いて、学生についてとKBCの活動について、いつでもブレずにど直球ど真ん中のコメントを頂けるような方でした。だからこそ以前に会った方を少し悪く言う話に驚いたのですが、そのお話は結局「日本語でも何を言ってるか分からないヤツだから、英語でも分からない。どう言うかよりも、何を伝えるかが大事で中身が無いのがいくら英語を上手く使っても意味がない」という内容でした。


 その方には申し訳ないですが(笑)、同時に物凄い励ましにもなりました。結局は中身が大事で、実力以上のものは出ないのだからそのまま堂々と勝負しにいこう。と決めたのを今でも覚えています。結局、アイスランドのパネルでは質問されたことへの会話が続けられず答えられなかったりと至らない点も多くありました。ただ、森さんに見ていただいた部分の発表については、韓国チームの方達から、どうしてそんなに堂々と発表できるんだ、すごいと言われる経験ができたのもまた良い想い出です。大人に混じって国際的な舞台で何かを発表する、その時に、森さんの助言が、同時統括していた海外を巻き込んだイベントについての自分なりの答えを見つけることにも繋がりました。


 私は、3年前に株式会社独立自尊という会社を設立して、世界に誇れる「健康を守る食」を大人と子供に伝える食育の活動と、丹精込めて作っている生産者さんとそれらを使って料理を提供するその道30年から50年近くの、一流の職人さんたちとお仕事をしています。今一緒にお仕事をさせていただいている、カフェを継がせていただく予定のビジネスパートーナーでもあるおばあちゃまは飲食46年目のオーナー、80歳になります。

森さんと同じ歳でした。


 一つだけ、私の強い後悔があるとしたら、どうして私はまだ森さんと話せるうちに会いに行かなかったんだろう、そのこと一点です。会ってご報告したいことは沢山有りました。それでも、森さんの志や魂のようなものを引き継いだ方は沢山いらっしゃることは分かっているので、今後の人生は会いたい人に会って、後悔なく過ごします。

最後に、森さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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